島田裕巳

神道と仏教は、それぞれ一定の独立性を保ちつつ、お互いに深く相手の世界に浸透し、相手の信仰体制を強化する役割を果たしてきた。 それも、神道が「ない宗教」であるのに対して、仏教が「ある宗教」だからである。両者の性格に根本的な差異があるからこそ、衝突することなく共存が可能だったのだ。